左胸の痛みが出た家族のケースを考える
昨夜母より電話があり、父が左胸に締め付ける様な痛みを訴えているとのことでした。
父は2年前に急性心筋梗塞の既往があります。
左冠状動脈の一部が機能していない状態ですが、
軽く汗をかく程度のウォーキングなどは可能にはなっており、
孫の遊びに付き合える程度には元気ですが、急に左胸が締め付ける様になっているとのことでした。
運転をして以前診ていただいた病院の夜間救急で診察してもらいました。
以前ステント処置をした部分が少し狭くなっていたことと水分不足が考えられるということでした。
個人的に気になったのが水分不足でした。
水が不足することによって何が起こったのか?
脱水症と言われる症状になってくるのですが、急な気温上昇により発汗量が増して
気づかずに体液が減少してしまっていたのでしょう。
体液は栄養素の運搬、そして老廃物の代謝 体温調節や新陳代謝など
生理的機能も担っています。
それゆえに脱水症を起こすと様々な症状が生まれます。
季節の変わり目は要注意なのですが、風邪や体調不良などの発熱時にも、
代謝が活発になっているがゆえにより多くの水分を失っていることになりますので
脱水症を引き起こす可能性は非常に高くなります。
だからこそ、季節を問わず水分を補給する意識は強く持って頂きたいところです。
乳幼児や高齢者は、必要な水分量が高いことや、水分不足に気付きにくいなど
違いがあるため要注意です。
水分損失率 症状例 1% 大量の汗、喉の渇き 2% 強い乾き、めまい、吐き気、ぼんやりする、重苦しい、食欲減退、血液濃縮、尿量減少、血液濃度上昇
3%を超えると、汗が出なくなる4% 全身脱力感、動きの鈍り、皮膚の紅潮化、いらいらする、疲労および嗜眠、感情鈍麻、吐き気、感情の不安定(精神不安定)、無関心 6% 手足のふるえ、ふらつき、熱性抑鬱症、混迷、頭痛、熱性こんぱい、体温上昇、脈拍・呼吸の上昇 8% 幻覚・呼吸困難、めまい、チアノーゼ、言語不明瞭、疲労困憊、精神錯乱 10~12% 筋痙攣、ロンベルグ徴候(閉眼で平衡失調)、失神、舌の膨張、譫妄および興奮状態、不眠、循環不全、血液および血液減少、腎機能不全 15~17% 皮膚がしなびてくる、飲み込み困難(嚥下不能)、目の前が暗くなる、目がくぼむ、排尿痛、聴力損失、皮膚の感覚鈍化、舌がしびれる、眼瞼硬直 18% 皮膚のひび割れ、尿生成の停止 20% 生命の危機、死亡
出典:水分損失率と現れる脱水諸症状の関係、日本体育協会、スポーツと栄養、108ページ、表7
私の父に言えることは昨日の急な気温上昇で水分補給が遅れ、それにより血液濃度が高くなり、血液がドロドロになってしまっていたようです。
これにより血管の狭まった部分の血行が悪くなったことで、弱点である心臓に負担を感じたのだと思います。
脱水症への指導
父へは、急な気温上昇の発汗と飲水の意識が低かったことが挙げられるので
その点の指導。あとは1日2Lの水分補給を目指すこと 喉が渇いてから水を飲むのではなく、
1回200~250mlの水分を1日数回補給したりするように指導をして起きました。
カルシウムやミネラルを含む方がいいので天日塩などを溶かして飲むのも良いと思います。
皆さんも、いつもよりコップ2杯分以上多めの水を採る様に心がけていただくとともに、
発汗により水分が不足しやすい就寝前後、運動前後、入浴、利尿作用が起こるであろう飲酒時には水分補給を意識していただけたらと思います。
昨年には同僚の父も、熱中症が引き金になり糖尿病が重症化して
本当にあっという間に亡くなられました。
他人事ではありませんし、様々な可能性を考えて今から習慣づければ
しんどくなることはありませんし、ぜひ取り入れてみてくださいね。
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